
くるまや本店の歴史
くるまや本店は代々、福島関所を治める山村代官の屋敷にお仕えし、製粉・精米業を営んでいた水車小屋でした。明治の頃に入るといつの頃からか自家製のそば粉を使った手打ちそばが評判を呼び、現在はそば屋として営業しております。
代官屋敷の御用達として水車小屋でそば粉を挽いていたのは黒川村(現在の木曽町福島黒川地区)で、当時の家長であった伝七が代官屋敷からいただいた書簡には「黒川渡 伝七(黒川渡とは当時の家があった場所の地名です)」や「車屋」という言葉が見受けられます。 「車屋」という文字が古くからの書面に書かれていたことからもわかるように当店の「くるまや」の名の由来は古くからの屋号であり、水車や歯車などたくさんの「車」からそう呼ばれていたそうです。
黒川村にあった旧家には山村代官が蛍狩りなどに訪れていたそうですが、昭和11年。代々続いてきたこの旧家もダム建設のため移転することとなりました。現在のお店は明治43年(1910年)からあった建物を譲り受けたもので、当時の面影を残す書物・書面や明治時代の水車の歯車、年代物のひな人形などが歴史を感じさせてくれるます。
代々伝わってきたくるまや本店の味を懐かしさの残る店内でゆっくりくつろぎながらそばをお召し上がりください。